段階的詳細化の効用

Posted by Hiramitsu on 2012 年 5 月 21 日 under プロジェクト現場のノウハウ | Comments are off for this article

プロジェクト 現場のノウハウ1

~ 段階的詳細化の効用 ~


プロジェクトではゴールを達成するために必要なタスクを分解してマネージメントするためにWBS(ワーク・ブレークダウン・ストラクチャ)を作成しますが、将来において不確定要素が多く存在するため、段階的詳細化という考え方が用いられます。

段階的詳細化とは、わからないところはまず大まかに定義しておき,プロジェクトの進行で理解が深まったら詳細を定義する、といった方法です。ローリングウェーブ計画法とも言います。

(当たり前のことなのですが、意外とプロジェクトの現場ではこれができていないのが実情なのですが・・・。 その理由と対策については別の機会に述べることとします。)

この段階的詳細化は、プロジェクトのWBS作成のみならず、仕事のあらゆる面で効力を発揮します。

プロジェクトの中の仕事でも外の仕事でも構わないのですが、行わなければならない突発的な1つの仕事があったとします。

なんでも良いのですが、たとえば以下のようなものでしょうか。

例1) 使用しているPCでメールが受信できなくなって対処が必要となった。
例2)1週間のチームの状況をまとめ、上司に報告を求められた。
例3)詳細が良く分からない議題の会議設定を依頼された。

(なお、「突発的な」としているのは、定常的な業務では運用のルールが既にあり、それに従って機械的にワークを行えばよいものは除くからです。)

これらの仕事を行うにあたって、まず何を考えますか?

まず、仕事を行った結果として求められるゴールを設定します。
そのゴールに向かって、行わなければならないタスクを分解します。
そして、分解したタスクの優先順位とスケジュールを決めます。

普段何気なく自分が思いついたまま仕事を行っているかもしれませんが、ちょっとした仕事であっても、短い時間の中でこれだけのことを瞬時に考えて、計画書と起こさないまでも実行しているのではないでしょうか。

ちょっとした仕事でも、実は1つの超ミニプロジェクトとも言えるのではないでしょうか。

ちょっとした仕事でも、分解したタスクの中にはタスクの結果から派生するタスクもあれば、結果を見てみないと次のタスクを組み立てられないものもあります。このようなタスクに対してどう振舞うか、それがその人の仕事が「できる」「できない」の評価に大きく左右します。

不確定要素に対して、プロジェクトではこれらを当たり前のように段階的詳細化で対応していくのですが、ちょっとした仕事でも同様に段階的詳細化は有効なのです。

仕事の例1を参考に、ゴール設定 タスク分解 優先順位・スケジュール の順に、具体的な対応を考えてみましょう。


例1)使用しているPCでメールが受信できなくなって対処が必要となった。

<ゴール設定>

PCでメールが受信できるようにする
・メールが受信できない間、仕事に対する影響を最小化する

ゴールは上司から設定されることもあれば、自分で設定しないといけないこともあります。 今回の場合は、自分で設定しないといけないケースです。

<タスク分解>

1.不具合改善対応
1-1.現象の把握
1-1-1.自力での即時復旧可否判断
1-1-2.不具合報告のための事象把握
1-2.PC管理部門への不具合連絡
1-3.PC管理部門による調査(不確定要素タスク)
1-4.復旧作業(不確定要素タスク)

2.メールが受信できない間の対応
2-1.影響先調査
2-2影響先への事前連絡
2-3.対応遅れによる対応プラン(不確定要素タスク)

3.完了時対応
3-1.影響先への完了連絡

ざっとタスク分解してみましたが、この中で不確定要素をもつタスクが3つあります。

1-3.PC管理部門による調査」はどれくらい時間が必要かわかりませんし、調査のために追加で行わなければならないことが新たに発生するかもしれません。
1-4.復旧作業」は調査の結果を待たないと、何をして良いかわかりません。
2-3.対応遅れによる対応プラン」も、調査と復旧作業の結果で対応プランが変わってきます。

これらは、段階的に詳細が分かった段階で後続タスクを見直し、対応しなければなりません。

<優先順位・スケジュール>

個人の置かれている状況によって対応内容や実行順番は変わってきますが、ここでは一例として、以下のように対応計画を立ててみます。

A) まず、「1-1-1.自力での即時復旧可否判断」で難しいとなった場合、「2-1.影響先調査」と「2-2影響先への事前連絡」を行う

B) その後、「1-1-2.不具合報告のための事象把握」と「1-2.PC管理部門への不具合連絡」を行う。

C) 1-3.PC管理部門による調査」を待っている間、リスク対応として「2-3.対応遅れによる対応プラン」を練っておく。

D) メールが受信できなくてもできる別の仕事を行いつつ、「1-3.PC管理部門による調査」の結果を待つ。 追加の情報提供等協力が必要になった場合は対応を行う。

E) 調査の結果をもって、「1-4.復旧作業」のタスクを明らかにして対応を行う。

F) 復旧の目途がわかってきた段階で「2-3.対応遅れによる対応プラン」を見直し、実行する。

G) 最後に「3-1.影響先への完了連絡」を行う。

特に、不確定要素を持ったタスクの対応であるCFの良しあしがこの仕事の品質を決める重要なポイントになります。


ちょっとした仕事において、瞬時にゴールを設定し、タスクを分解し、優先順位とスケジュールを立てる、それに加えて、不確定要素を明らかにして、段階的に詳細化しながら対応することができれば、あなたの仕事に対する評価もグッと上がるはずです。


以上(wizCline 平光)